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俺があんまり慌てるので、道真公はあっはっはと愉快そうに笑った。
「なるほど、本当に無礼な外つ国の妖怪だ。宇迦之御魂神様が、きっと腹の立つようなことを平気で言うだろうけれど、店主が一緒だと借りてきた猫のようになるから、聞き流してぜんぜんかまわないと言っていた。」
さすがウカさん、ミハイさんとよくいがみ合っているだけのことはある。
てか、ミハイさんが道真公を怒らせないよう、事前に教えておいてくれるあたり、親切だ。
「借りてきた猫だと?おのれ、どこの馬の骨とも分からん野良狐の分際で、高貴なる私を貶めるとは、無礼にもほどがある!」
無礼はおまえだ、ウカさんの出自はしっかり分かっているはずだろうが!
お父さんはスサくんこと素戔鳴尊だし、お母さんのお父さん、つまりウカさんにとっての母方のお祖父さんは大山祇神様、どちらの血筋も非常に由緒正しいのだと聞いたことがある。
「猫と表現するならば!いっそのことドラゴンと!」
借りてきたドラゴン。
なんだそれは。
そんなものレンタルしているところはないから。
対抗して言い直している内容が、非常に珍妙。
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