5085人が本棚に入れています
本棚に追加
ここの主祭神の菅原道真公にこれだけ無礼を働いていて、樹は信じるってどういうことだ。
自然崇拝とかそういうことじゃない気がするぞ。
「じゃあ、行こうか。宇迦之御魂神様が待っているから。」
「ウカさんがですか!?」
そうだ!そう言えば、ウカさんもあとから行くって言っていたじゃないか!
てことは、この境内のどこかにもう?
道真公は、非常にご機嫌なまま、俺たちを後ろに従えて山のほうへ続く道に曲がっていった。
坂道を登り、茶屋の前を過ぎていくと、赤い鳥居が。
天開稲荷神社・・・ああ!
「天開稲荷神社は、九州最古の稲荷神社で、九州の地においでになるときは必ずここに立ち寄ってくださるのさ。」
そんな重要な神社が、太宰府天満宮の中にあったなんて。
何本もの赤い鳥居を潜り、両側にたくさんののぼりが立っている急な石段を登っていくと、やがて稲荷神社が見えてきた。
いくつもの鈴があり、それぞれに干支があるのだそう。
しかし、拝殿まで来ても、どこにもウカさんの姿は見えない。
最初のコメントを投稿しよう!