居酒屋まるの包丁騒動記

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だったら。 「あの、ウカさん。」 「うん?」 「天神様、包丁を供養してくださるそうなので、そのお礼として店に帰ったら料理を作ります。それを、こちらに届けてもらえますか。」 俺が出来るのは、店で酒と料理を出すことだけ。 店に来ていただけないのであれば、今回だけはデリバリーで。 俺の申し出に、ウカさんはちょっと驚いたような顔をして、それから破顔した。 「いいな、それ!引き受けるよ!ありがとう、泉実!」 そして、あ、そろそろ限界と、ウカさんは結界を解いてくれた。 同時に飛び込んでくる怒号。 「許さん!泉実を拉致するなんぞ、40億年早いわ!地球創生時まで戻ってやり直してこい!」 「だから、店主は無事だと。」 「このような貧相貧弱な石室など壊してくれる!!」 「いい加減に聞き分けんと、さすがに私も怒るよ!」 うわあ!空がごろごろいってる!落雷はしゃれにならない! 「ま、待ってください!すみません、大丈夫です!ミハイさん、落ち着いて!天神様もすみませんでした!」 「泉実!」 顔を出したところで、ミハイさんの手が伸びてきて、強引に引きずり出された。
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