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おそらく写るべき気合を入れたのだろう、なのにシャッターが切られる直前に背後から飛び出してきた二人に一瞬気をとられたのか、ブレブレで何なのかよくわからない影になってしまったミハイさん。
今度は珠美さんと木戸に激怒するミハイさん。
ああ・・・本当に気合入れて写ろうとしたがために、中途半端に写ってこんな心霊写真もどきに。
・・・・・・縁起悪そう。
なので、あらためて俺の方から珠美さんにお願いして、ミハイさんと二人で写真を撮ってもらった。
それでなければ、あの観光客で賑わっている参道入り口で、大喧嘩確実だった。
それから、4人でもう一度。
「もう十分ですよね。」
俺の携帯から、三人の携帯に送る。
「きゃー!これ、和佐にも送っちゃおうっと!」
「これさ!棟梁に見せたら、泉実さんのお供したって証拠になるよね!」
そんな証拠が必要なくらい、信頼されてないのか、木戸。
「おおおおお・・・おまえの神々しさに、私が霞んでいるが、同じフレームの中に納まっている・・・!」
俺に神々しさは微塵もなく、気合にも限界があったってことだと思うぞ。
二人で写った写真のミハイさんは、やはり輪郭が少しばかり不鮮明だった。
それを待ち受けにすると言い出し、ひと悶着あったのは仕方がない。
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