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翌日、開店の午後9時に、ミハイさん、珠美さん、木戸が来た。
「和佐にね、焼酎お土産に買って行ったら、すっごく喜ばれちゃった!」
「よかったですね、珠美さん。」
いつまでも新婚気分でアツアツの相原さんと珠美さんご夫婦。
「もつ鍋セット、今度かすみちゃんに作ってもらうんだ!」
「木戸さん・・・まだ学生のかすみさんに、あんまり甘えちゃだめですよ。」
まだ10代の彼女をもつ木戸には、やんわりと釘を刺しておく。
不登校だったかすみさんは、定時制の高校に替えてどうにか通っているとのこと。
時間があるときは木戸の弁当を作ってくれるという面倒見のいい子で、離婚して父親に引き取られているのにその父親は考古学のために今もエジプトに長期滞在中。
そんな子のために、おまえが料理してやれ、木戸。
「ミハイはお土産買ってないの?ミラちゃんとかに。」
「何故あの雌ゴリラに土産を買わねばならん。日頃から迷惑しかかけられておらん相手に。」
カウンター席の一番端で、赤ワインを口に含むミハイさん。
「土産ならば、あの写真で十分!ふはははは、泉実と二人きりで写ったのは、私一人なのだからな!」
携帯を、三つ葉葵の印籠のように掲げて高笑いをするミハイさん。
機嫌が復活してよかったよかった、よかったから吹聴するんじゃない、てか、ちょっと待て。
「ミハイさん、トリミングしましたね?全身で写っていたはずなのに、なんでアップになってんですか。」
その後、数分に渡ってミハイさんと俺の、写真の削除を求めてのすったもんだがあったのは、仕方ないと思う。
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