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「まあ、ミハイは確かに面白くなかっただろうがね。俺は面白かった。みっちーも。だから問題なし。」
「問題あるわあああああ!」
ウカさんも、これ以上ミハイさんを煽らないでほしい。
あの後機嫌を直してもらうのが大変だったんだから。
「ウカさん。これを。」
俺は、タッパーに梅味噌焼きおむすびと鶏肉の梅味噌焼き、梅ゼリー、ウカさん用の油揚げ、それから二人で飲めるように日本酒一瓶とお猪口を二つつけて、紙袋に入れた。
「二人分作りました。天神様によろしくお伝えください。」
「ん、わかった。さすが泉実、昨日の今日なんて偉いなあ。そのうち、みっちーの御利益があるかもしれないよ。」
御利益はいいから、包丁の供養をしっかりお願いしたい。
ウカさんは、早速届けるよと言って、今日は店でまったく飲まずに帰っていった。
俺は、一緒に作った塩むすびと梅ジュースをお盆に乗せて小上がりに持っていき、いつ食べてもいいよまりちゃん、と声をかけた。
ウカさんがいなくなると、それなりに緊張していた珠美さんと木戸がはーっと息を吐く。
「さすがよねえ、泉実ちゃんてば。」
いや、料理くらいはいつも以上に簡単だったし、お酒もウカさんは常温が好みだから何も・・・
「あんな偉い神様を使い走りに使えるんだもん。」
うん?
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