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「私ほど泉実に吉をもたらすものはおらんぞ!我が存在を吉兆と言わんか!」
吸血鬼の存在を吉兆と呼べるほど、俺は大胆じゃない。
「じゃああんた、泉実ちゃんに何か言ってみなさいよ。」
何かって何を。
「そうねえ、今後の展望とか?泉実ちゃんがよぼよぼになる前に、あんた何か行動を起こそうと思ってないの?」
よぼよぼってなんだ、何十年後の話だ。
てか、ミハイさんの展望?
「それならば、今更であろう。まず、目標として1年以内に、これまで以上に泉実の信頼を得て。」
これまで以上も何も、常識という点の信頼は限りなくマイナスなんだが。
マイナススタートから1年以内の信頼、非常にきつい。
「求婚に諾と言ってもらい、挙式は欧州の大聖堂で荘厳かつ華々しく。」
吸血鬼が大聖堂とか、何をぬかす。
「小娘を養子に迎え、この店に潤沢な経営資金をつぎ込み、客は一流どころばかりを揃え、このような胡散臭い者どもは排除。そして、ふ、ふふ、夫婦になったからには!裏の平屋を建て替えて同居を!慎ましく三階建てくらいで、ワンフロアまるごと泉実の写真を貼り泉実が使ったものを展示したIZUMIルームに!」
自分の案を妄想して興奮したミハイさんが立ち上がった瞬間。
バリバリバリ!!
物凄い轟音が店内に響き渡ったかと思うと、琴子さんの手の中になった御守りから閃光が走り、ミハイさんを直撃した。
「ぎゃー!!」
「ミハイさん!」
超局地的落雷。
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