game.3

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ゼロ様の意思を呪いの力で呑み込ます事が出来れば、ゼロ様は意志を失い本能で行動するようになるだろう。 本能だけとなったゼロ様は呪いの力ならではの主を求めるだろう。 そして惹かれ合った闇属性の仲間を主として従う筈だ、そうなれば…ゼロ様を手にいれた事になる。 ただこの二属性は誰も実験をした事がないから成果は分からないが、試してみる価値はある。 闇魔法の人間はこの王都にいなかったから、闇属性の使い魔から血を抜き取り薬を使った。 我らが初めて捕まえた使い魔で魔法使い達にコキ使われていたのを助けたから、この使い魔は恩を感じているのだろう何でも協力していた。 しかし数いる使い魔の中で闇属性はその一匹しかいなくて、少々血を抜きすぎて使い物にならなくなってしまった。 十分血は取ったし、戦闘はろくに出来ない役立たずだからその使い魔を処分する事にした。 そして、とうとう試す時がやってきた。 仲間の一人に闇属性の力を植え付けて、成功した者を夜の街に放った。 表向きは、義賊という名に相応しいほど悪い魔法使いを殺す事。 裏では魔法使い達を殺そうとすると、ゼロ様が止めに入るだろう…ゼロ様が義賊集団を調べている事はこちらも知っている。 そして何人か捕まった事も、でもそれは計算内だ。 全てはゼロ様の行動を把握するための囮に過ぎない。 我らは魔力実験で死ぬ人間も多いが、義賊に憧れを抱いて入ってくる者も後をたたない。 だから何人捕まろうが、我らの野望は賛同する人間がいるかぎり衰退はしない。 そして惹かれ合う実験は成功した。 ゼロ様と闇属性の男は無意識に体の外に放出されている見えない魔力がぶつかり合い反応を示した。 後一歩でゼロ様が呪いの力に呑まれる場面を目の当たりに出来たのに、副騎士団長のヤマト様に邪魔されてしまった。 でもいい結果が見れたから満足だ、あの闇属性の男はいい仕事をした…後は人工魔法が体に植え付けられている事を知られる前に自害すれば完璧に証拠を消せる。 魔法は命と繋がっていて、死ねば魔法も消える…それは人工魔法でも同じだ。 今度こそ邪魔が入らないようにして闇属性をゼロ様にぶつければすぐにこちら側にくるだろう。 貴方は正義の側にいるのは相応しくない、グラディオ様がかつての仲間を大量に殺した時のように同じ力を持つ貴方もその道がとても似合う。 ゼロ様の他にも何人か仲間に引き入れる魔法使い達をリストアップした紙を見つめて不気味に微笑んだ。
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