game.1

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俺は並んだ順にシールの名前の通りに子供達に配った。 大きさは様々だ、この前サンタクロースに手紙を書くと院長先生が言って皆で書いた。 その書いたプレゼントが入っているからいらないものが入っているという事はないだろう。 そのプレゼントは年齢関係なく皆平等に用意されている。 クリスマスをバカにしていた少年達だがプレゼントはほしいのか貰うと嬉しそうにしていた。 そして最後の子にプレゼントを渡して、やっと終わったと安堵した。 サンタクロースから「お疲れ様!」という声が聞こえた。 もう列には誰もいなくて、俺は袋の中を覗き込んだ。 そこには中くらいの一つのプレゼントが置いてあった。 シールには「冬月」と書かれていた、俺のクリスマスプレゼントだ。 袋の中に手を入れて俺の名前が書いてあるそれを取り出す。 感触から分かるちょっと大きめの本のサイズだった。 サンタクロースから送られたその本を大切に抱き締める。 俺は今日この日を心待ちにしていた、ずっと欲しかったものだ。 バイトをすればすぐに買えるのだが、ひまわりの園はバイトを禁止している。 何故かは分からない、院長先生は子供達が寝た後に帰ってきたら子供達が可哀想だと言っていた。 そういうものなのだろうか、まぁ確かに帰ってきた時起きたい気持ちも分かる…子供の頃は兄ちゃん達が学校が終わってすぐに帰ってきたら嬉しいものだった。 「冬月!何貰ったんだ?」 「隼人(はやと)」 養護施設の中で一番仲がいい隼人が最新ゲームソフトを持ってやってきた、隼人のプレゼントだろう…ゲーム好きな隼人らしい。 俺がまだ袋を開けてないのを見ると隼人が急かすような声を出す。 あまり遅いと俺からプレゼントを奪い雑に袋を開けそうな勢いだった。 中の本まで破かれたくなくて俺は袋の封を丁寧に剥がした。 ビリビリという乾いた音が耳に届き、袋が大きく口を開けた。 中のものを取り出すと気になっていたのか隼人が覗き込む。 「料理本?」 「そう、しかも今人気の本なんだ!」 聞いたのは隼人なのに興味がすぐになくなったのか気のない返事をする。
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