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「なるほど、フリーデ君の言うことも、もっともか」
ふうむ、と息をついたルーテルは、二秒の思案をおいて顔を上げた。
「よろしい。それでは前衛はエルドレッド君と、灯りを持ったナナエ君で。真ん中をフリーデ君、しんがりの守りは私が務めよう。異論はないか?」
ナナエとフリーデがうなずいた。
二人の少女を前に、エルドレッドの胸中に迷いが浮かぶ。
……しかし本当に、第二階魔術師に過ぎないナナエを前衛に立たせて大丈夫なのか?
不安がエルドレッドの胸中に薄く差したが、それ以上に湧き上がったのは、戦士としての自負だった。
この四人の連隊を力で支えるのは、戦士を務める自分だ。
何があっても、全員を守り抜き、任務を終えて生還してやる。
エルドレッドは、すぐ隣に立つナナエに視線を向けた。
彼女も、エルドレッドをじっと見上げている。
ナナエの澄んだ瞳の中に、強い決意と仄かな煌めきを見つけ、エルドレッドは小さくうなずいた。
そして足元で蒼く燃えるランタンを拾い上げると、ナナエにそっと差し出した。
「灯り、頼むよ」
ナナエも無言で深くうなずき、両手でランタンを受け取った。
「では決まりだ。隊列を組んでくれたまえ」
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