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四人が席に着くのを待って、騎士ルーテルが皆にぐるりと視線を巡らせた。
「長らく王都に足止めしてしまって、本当に申し訳ない。つい先ほど、このミルメクの案件はすべての決着をみた。ようやく、君たちに最後の結論を伝えられる」
一呼吸おいた騎士は、黙して待つエルドレッドたち一人一人に目を向けて礼を述べる。
「まずは大公殿下に代わってお礼を言うよ。この案件は、君たちの力なくしては解決し得なかった。本当にありがとう。君たち四人は、最高の連隊だった」
「えっ? 待って下さい」
即座にセティが声を上げた。
「僕は反逆者も同然で、あなたの連隊の一員では……」
自責の念が滲むセティの言葉。
だが騎士ルーテルが、清廉な笑みではっきりと口にする。
「いや、君は反逆者ではないよ、セティ君。君も、私の連隊の立派な一員だ」
エルドレッド、フリーデ、それにナナエも、騎士ルーテルの顔を注視する。
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