第七章 円満な解決

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 しかしルーテルが、構うことなく話を続ける。 「この報酬をどう使うかは、エルドレッド君の自由だ。だがそれだけあれば、定住の足掛かりにはなるだろう。それから」  騎士は、袋の脇に一振りの古風な長剣を置いた。  革の鞘に納められた外見は実に質素で、エルドレッドが失った長剣とよく似ている。 「我々の依頼のために、君は丸腰になってしまった。この剣は、さる騎士が修行時代に使っていたもので、君に譲ってもいいそうだ。騎士団として、せめてそのくらいは責任を取らなくてはね」 「いいんですか? こんなものまで。それに、誰がそんな……」  戸惑いを顔と言葉に表わしたエルドレッドに、ルーテルは涼しい顔でうなずいて見せる。 「せっかくのご厚意だ。ここは詮索せずに受け取っておきたまえ」  椅子から立ち上がったエルドレッドは、おずおずと手に取った剣をすらりと抜き払った。  手入れの行き届いた両刃の刀身には、鋼鉄の銀河を思わせる縞模様がうっすらと浮かぶ。  脇からフリーデが驚きの声を上げた。 「凄い鋼じゃない! 普通の冒険者にはとても手が出ない、物凄く高価な剣だわよ」 「ずっと使っていなかったそうだから、気にしなくて大丈夫。さあ、戦士に戻りたまえ」  ルーテルがエルドレッドを促す。
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