第七章 円満な解決

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 薄切りにされた何種類ものチーズ。  しっとりと蒸した採れ立てのキノコ。  ハーブと玉ねぎの薫る、溶き卵のスープ。  それにたっぷりと脂肪が乗った、牛赤身の細切りロースト。  華美さはないが、素材を生かしたという点では、これ以上ないご馳走だ。    久々過ぎる豪勢な料理を前に、痛むほどの空腹を抱えたエルドレッド。  つい腰を浮かせた彼の裾が、フリーデにくいくいと引っ張られた 「落ち着きなさいよ、全く……! ほら、ルーテルが待ってるでしょ?」  ハッと顔を上げると、穏やかな苦笑を浮かべたルーテルが四人を見ていた。  エルドレッドが神妙な面持ちで腰を落ち着けると、騎士ルーテルはどこかしんみりとした口調で語り始めた。  「さて、トリツキタケもミルメクの城も、君たちの力を得て、全ての始末が付けられた。君たちへの報酬も渡し終え、あとは皆でこの最後の晩餐を平らげるだけだ」  悪戯っぽく、ふふっと笑った騎士が、大きなため息をついた。  満足そうな、それでいてどこか寂しげな息だ。 「……これで私の連隊は、全ての役割を終えた。今この時をもって、この連隊は解散する」   ルーテルの宣言が、エルドレッドの胸の奥にしみじみと染み入ってくる。    ……何もかもが、これで終わった。    押し寄せる達成感の余韻に浸る彼の耳に、騎士の言葉が静かに響く。 「この連隊は、私が望みうる最高の連隊だった。これで君たちは、それぞれ元の生活に戻ることになるが、もし何か起こったときは、また君たちを呼びたいものだ。それまで、しばしの暇乞いを」
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