秘密の始まり _憂×神楽_

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秘密の始まり _憂×神楽_

俺の人生に訪れた想定外の出来事が起きたあと、待ち人はなかなか現れない。 そんな中、体調崩した俺に忍び寄る不埒な手に犯されてしまうなんて誰が予想できる? 「 ……ん… っ…… 皇成さ… やめろって… やめ…… 」 朝からなんという夢を見たことか。 あまりに恥ずかしい夢で咄嗟に確かめた、朝の元気な自分のそれを。 「 あ~…… 何だよ俺は… 最悪だ 」 イッてはないが、ボクサーパンツの一部が滲んでいるのがわかって落胆した。 こんな夢を見たのはアイツのせいだと、パリへ行ってしまった皇成を憎らしく思いながら大学へ行く準備を始めた。 俺は来栖 憂、友達の郁也の家にいた郁也の兄、拓真の親友の鈴見 皇成と出会った。 しかも浴室で、さらには引き込まれて皇成の手と口でイカされた。 前代未聞だ、俺の人生経験にはないはずの出来事。 こんな事あってはならないとわかっているのに、男であるのに男に惹かれてしまった。 そして皇成は俺を好きにしたあげく、俺の心と体に記憶を残してパリに行ってしまった。 後々になって気づいたのは、皇成の連絡先を知らないという事。 それがわかってどんなに沈んだ事か。 「 憂、バイト行くだろ 」 「 行くけど… 俺拓真さんに会いたいんだけどさ、いつ会える?」 「 今日は家にいると思うけどたぶん会わない方がいいかもな 」 「 なんで?」 「 そりゃお楽しみってやつだから 」 お楽しみ…? って、まさかアレか!! 「 拓真さんって彼女いたんだ 」 そうだよな、カッコいいもんな。 「 彼女? んなわけないだろ、兄貴は変人だからな 」 「 変人って… うわ、まさか!」 そのまさかだと、郁也は言う。 信じられないが弟の郁也が言うのだから本当の事だろう。 まさか、身近に同じ人がいたなんて…… 俺だけが変じゃないと安心する俺はどうなんだ?
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