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暗い部屋にも目が慣れれば神楽がよく見える。
男の俺でも危機感と言うものが感じられた。
「 神楽? あのさ、俺もう平気だし… 」
なんか俺ヤバそうだし、この部屋から出ないとダメな気がする。
神楽はソファに腰かけている、身動き取れそうで取れない俺はどう離れたらいいか模索するが絶対的に捕まるとわかる。
案の定、いきなり両手首を捕まれ、神楽を見ればその顔は俺をまっすぐ見ていた。
手首はそのまま上へと持ち上げられ、俺は一言発する前に神楽によって口が塞がれた。
「 ダメ、逃がさない 」
ん、んんーっ…
ヤバいって、コイツ本気でキスしてるっ…
「 ふ… ンクッ… 」
神楽っ
俺は、あの人を……
「 来栖… 俺を見て 」
「 …神楽 やめろ、俺は… んっ… 」
なんだって神楽は俺なんか好きとか言うんだ?
同じ男なのに…
神楽の舌が口の中を舐めては舌を絡めてくる。
舌を吸われてより体の中で何か疼いてくる。
苦しい…
こんな強引に、なのに……
キスに酔わされているうち、ジーンズのボタンが外されて神楽の手が入ってくる。
「 ん、あっ… 何して、触るなっ!」
「 来栖の熱くて固まってる 」
「 だから!! 」
「 だから何? キスで濡れたくせに 」
っ!?
言い返せない。
事実、俺は確かにキスに気持ち良さを感じた。
体に這うみたいなゾクゾクした感じがたまらないと思った。
男なのに…
俺はまた、男に気持ちよくされるんだ。
ほんとは、嫌だ……
でも、神楽の手に包まれているそれがたまらなくて反り返るんだ。
「 憂… 可愛い 」
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