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俺は来栖 憂。
知っての通り、男に初めてを奪われた情けない男だが。
恋の始まりに俺を思いながら置いていった皇成はパリにいる。
3ヶ月も郁也の兄、拓真に連絡なし。
遠距離にもほどがあって、恋人とも言えるかどうか……
友達ではないから、かと言って恋人とは言い切れない。
つまりは恋人…未満、一夜の関係。
皇成に惹かれてしまった俺はただ待つのみ。
そんな俺を知らないで、大学の友達で女子にモテモテな奴に恋されていた。
奴は神楽 健聖、イケメン王子と名高い奴が俺を好きだと言った。
しかも、具合い悪くした俺を介抱したかと思えばタガが外れたのか理性吹っ飛ばして俺にキスし、あげく手と口であんな事されてしまい俺は自己嫌悪の塊だ。
そんな俺はまた、神楽に拉致されている。
コイツはどうやら…… 甘いマスク付けたオオカミらしい。
「 神楽、なぁなんでまたこの部屋に… 何度も言うけど俺 男だから!」
「 そんな可愛い顔してる男に言われても、ね… 強がりは止めてキスさせて 」
ほら、まただ…
皇成と比べる気はないが、どこか似てるんだ。
一歩後退すれば一歩詰め寄る。
「 来栖、覚えてるだろ?俺にキスされて感じて濡れて… 」
「 わー!! 言うな、バカかっ キスで濡れたとか違うし、お前はおかしいっ 」
いや、確かに濡れて…
あれはあれで気持ち良かったんだけど……
って、アホか俺!
神楽は男だっ
ついでに俺も男!!
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