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神楽に電話しても長いコール音だけが耳に響く。
それはイライラするものだった。
何してんだよ、神楽は!!
俺が電話してんのに… 出ろよっ
スマホ画面を睨んでいると逆に神楽から電話が鳴り驚き慌てた。
「 はっ、はい!」
しまった、声が裏返った!
『 来栖、ごめん電話… なんだった?』
「 なんだったって…… 」
なんだった?
なんで俺電話したんだっけ?
『 来栖?』
「 ……今からお前ん家行っていい?」
『 ……いいよ、待ってる 』
今、間があったぞ。
なんだよ、考えたのか?
俺が好きなくせに考えるのかよ!
まさかまだ女といる?
頭に浮かぶ光景、神楽の腕に絡むようにして側にいた女。
俺の中のイライラが神楽の家へと急がせた。
神楽家に着いてすぐに離れへと走った。
「 いらっしゃい、来栖 」
神楽……
なんだよ、その嬉しそうな顔は!!
「 あ、のさ… 今一人?」
「 まぁ、一人だけど。なんで?」
「 いや別に…… 」
一人か……
って事はあの女は一緒じゃなかったんだな。
俺はホッとした。
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