欲張りたいのは君だけ _憂×神楽_ 最終話

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どういうことだよ、帰ってこない? おかしいだろ…… 俺がいるのに、待ってるのになんで…… 「 来栖、なぁ… 」 だいたい、どうして神楽が言うんだ? なんで俺じゃなく神楽が言うんだよっ 俺には一言もないじゃないか! 皇成さん、やっぱあんたのせいだ。 あんたが悪いんだ…… クソッ ムカつく、悔しいっ 「 来栖、あの人は昔から自由な人だよ、周りがどんなに思っても、見たい物を見る人だから… 連絡が来た時 来栖の事頼むって…… 」 「 意味わかんねぇ… なんで神楽に頼む?先に俺に一言あるだろっ 」 「 来栖… 」 俺、初恋が終わったんじゃん…… しかも外国行った奴にフラれてるし。 はは…… なんだよ、これ。 俺の気持ち返せよ、なんであの人なんか好きになったんだよ…… マジでムカつく!! 腹正しいのに、涙が滲む。 神楽は俺を抱きしめた腕を少しだけ強めた。 俺が今神楽の腕から離れても、皇成には会えない。 神楽に託した事で、皇成への恋心は終わったんだ。 待つなと、お別れだと… 神楽を通して伝わった。 俺は声を殺して神楽の胸で怒りながら泣いた。 突然の別れにもう、泣くしかないから。 そんな俺を神楽は黙って抱きしめてくれていた。 どれくらい時間が過ぎたのか、俺は神楽の腕の中で力が抜けていた。 ただわかるのは、今の俺には神楽が必要だと言うこと。 どんなに都合がいいと再提出と叩かれても神楽が必要なんだ。 神楽がいなければ耐えられなかったかもしれない。 何より、神楽がいつも俺のそばにいてくれていたんだ。 今さらだが女といる神楽を見るのが心底嫌だった。 皇成が神楽に伝えたのは正解だったのかもしれない。 「 神楽… 」 「 何、大丈夫?」 「 お前… マジで俺が好き?」 「 好きだよ、前に告白したろ?俺は来栖 憂が好きだよ 」 やっぱり神楽は俺なんだな。 皇成さん、あんたの気持ちを理解はできないけど、俺には神楽がいる。 もう半分は神楽を好きなんだ。 でもこれからは神楽を見ていくよ、それが望みだろ? 俺は、フラれたんじゃない。 俺は皇成さんじゃなく、そばにいる神楽を選ぶんだ。 「 神楽、俺はめんどくさい奴だからな 」 「 可愛いから、許すよ 」 バカだ、こいつは!!
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