真相の夜――ソファーにて

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 瞬間、俺は閃いた。 そして、考える前にその閃きをそのまま、ヤツへと投げ掛けていた。 「その、見てる夢ってもしかして――、俺と寝てる夢なのか?」  ヤツが言ったように、「ヤる」とか「セックスをする」とかを、とっさに言わなかった自分を、俺は褒めてやりたかった。 ――いや、ただ、認めたくなかっただけだったのかも知れない。  しかし、 「⁉」 絶句したヤツの顔が、表情自体が、俺にとっては返された答えそのものだった。  なるほど、そういうことか。と、かえってうなずけた。 ――やっと、さっきの月橋の爆弾発言の意味が分かった。  図星を指された月橋は、実に分かりやすかった。 とうとう、その大きな目から涙がこぼれ落ち、目尻から頬へと筋を描いた。 「ごめん――」  ヤツはそう一言、つぶやいた。 俺の聞き間違いだと思ったが、ヤツはもう一度、 「ごめん、野宮。ゆるしてくれ」 と、ハッキリと言った。  ダメ押し、とどめ、――決定打だった。 ヤツが何を言いたいのかは、その一言で俺には分かった。  分かったが、全く納得出来なかった。 俺は、今にも叫び出しそうなヤツへの『想い』とやらを、なだめすかせるのに必死になった。  だから自然と、ヤツへと問う声が低くなった。 「ナゼ、謝るんだ?月橋」 「え・・・・・・?」  ヤツは俺の言葉に納得するどころか、まるで分かっていないようだった。 俺も又、ヤツに繰り返して言った。 「だから、ナゼ、謝るんだ?って聞いてるんだ」
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