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いつの頃からか、閉じ込められている。
四角い空間。
ドアはない。
空気はある。
だけど、ここからは出られない――。
白い壁、床、天井、光、衣服、それが全て。ここから見える世界。
自分の顔も分からない。
性別も知らない。
生理的な欲求は、一度も訪れない。
感覚は曖昧で、だけど唯一分かるものがある。
――冷たい。ひんやりとしている。
空気が。
何故だか、それだけが明確に理解出来る感覚なのだが、それが何故かは分からない。
ここから出ようとは思わない。
食欲もなく、動かなくとも体重、体調の変化は見られない。
自分は一体、何なのだろう。
時折そう考えるのだが、時間の感覚もないものだから、そうする事は無意味だとして、全て放棄してみる。
暇ではあるが、ストレスではない。
不思議と眠気も襲ってはこないのだが、ただ、思考はまだ、鈍ってはいない。
誰にそうされたのだとか、どんな陰謀が絡んでいるのかなんて、つらつらとそんな事を考えて、ふと虚しくなって止める。
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