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「あら、帰ってきたの?」
「えぇ。そうなの。やっとね」
「本当に可愛いわねぇ。教室に通っている間、寂しかったんじゃない?」
「えぇ。とても。でも、私も世話をしに通っていたし、ずっと逢えなかった訳じゃないのよ」
「そうなの。それで、上手くいったのかしら?」
「先生は、そう仰ってらしたわ。とても賢い仔だったと、笑ってらした。私も思わず自慢しちゃった」
「あらあら。まぁでも、お顔もこんなに可愛らしくて、賢そうだものね。分かるわぁ」
「ふふふ。私の自慢の仔よ。これから一緒に暮らすの。絶対可愛がるわ。甘やかし過ぎない程度にね」
「そうね。甘やかし過ぎたら、折角お金をかけて、教室に預けた意味がなくなるものね」
「そう。まずはきちんとしなきゃ、外でも他の人から可愛がられるように、そうしないと」
「分かるわ。いくら可愛い仔でも、家族以外の人に吠えたり、唸ったり、噛んだりしてはいけないものね」
「嫌われたらお仕舞いよ」
「下手をすれば、通報される時代だものねぇ。気を付けないと」
「そうね。怖いわね」
「怖い時代よ」
「すやすや眠ってる。本当に愛らしい仔ね」
「貴女も飼ってみたら? 凄く癒しになるわよ」
そう、近所の人と世間話を交わしてから自宅に入る。
いよいよだ。
これから、二人の生活が始まろうとしている。
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