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「常日頃から安全に気を配るのはとても素晴らしいことだよ。わたしはそう思う。もっと自分を誇るべきだ、会津くん」
「ほっ!? ……ほへ、へへっ」
褒められちゃったよ、ばあちゃん。
バカにされて笑われたイバラたちが一斉にほどけて、目頭にまばゆい花が咲く。
そうだ。
ボクは正しいことをしている。笑われる筋合いはない。なんにも恥ずかしくない。
それを分からせてくれた宮田くんはやっぱり、神さまみたいに優しい。
──やばい。やっぱり、大好きすぎる!
「いや、待てよ……。むしろ、ヘルメット着用を義務化していない今の校則が奇妙だ。生徒の通学の安全を守るルールがないのはおかしい」
ボクの感動をよそに、神さまは腕を組んでぶつぶつ言っている。
「そうだ、わたしから先生に提案してみよう。自転車通学の者すべてが会津くんを見習うべきだと」
「あっ、あ、そんな……」
気持ちは嬉しいけど、大げさすぎるよ宮田くん──とツッコミを入れようとしたときだった。
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