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「体調が悪いならちゃんと申告しろ」
「すみません……」
「あのっ、ボクが保健室につれていきますんでっ!!!」
プールから這い上がろうとする宮田くんの腕を引っ張りつつ、ボクは自己判断で突っ走った。
「大丈夫?」
「ああ。……申し訳ない」
タオルをかけてあげながら、ボクはそっと彼の背中にタッチする。
初めて触れる宮田くんの濡れた素肌はものすごくスベスベしててなめらかで、筋肉の弾力がすごくて、おもいっきり撫でまくりたかった。──理性で抑え込む。
「昨日まで涼しかったのに、急に暑くなったもん。水泳なんかしたら気持ち悪くなって当然だよねぇ……」
ボクはギンギンの下心をやさしさというオブラートでくるむ。
腹の底でどんちゃん騒ぎしている衝動に絶対に気づかれないように。
ちなみにボクの腫れた右足は、宮田くんの濡れ髪から垂れた雫をあびた瞬間、すっかり痛くなくなりました。めでたしめでたし。
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