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前のめりに倒れかけた彼の胸にすかさず腕を回し、力強く踏ん張り、抱き止めようとした──が、たくましい筋肉は想像以上にずっしりと重かった。水分を含んでいるせいでなおさら重みを感じる。
癒えていたはずの右足がトドメのようにピキピキと悲鳴をあげた。
「なーーーっ!!!!」
結果、貧弱ボディでの救出は失敗。気づけば二人いっぺんにコケていた。
せめてもの救いは、ボクが宮田くんを抱きしめてクッションになれたこと。
そうじゃなかったら彼は鼻から床に突っ込んで血まみれになっていたかもしれない。そんなの絶対に阻止だ。
「宮田くんっ……大丈夫!?」
ボクの胸の上で彼はぐったりして動かない。口を大きく開いたまま、肩で息をしている。
「宮田くん……?」
服ごしなのに、重ねた体の温度を感じる。しっとりと濡れているのに、ものすごく熱い。
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