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ってか、白衣をスカジャンみたいにデコレーションして、入れ墨みたいに自分の名前を刺繍するなんて悪趣味がすぎる。
かなりやばい人かもしれない。
──なんて思考を読み取ったのか、先生はわざとらしくヅカヅカと靴音を立てて目の前にやってきた。
「“尾花沢先生”って呼ばなきゃ両鼻にピンセットぶっ刺すわよ」
つむじを軽々とのぞきこんでくる圧倒的な身長差。
ボクはその巨体を前に、野ウサギのごとく背中を丸める。
「ごめんなさいっ! お、おっ、おばばっ……尾花沢先生!」
恐怖に舌がもつれた瞬間、先生の針金みたいな細眉はピクンと跳ね上がった。
「いま、オババって言ったな」
「いっ!? ぃいいい言ってまふぇーーん! 尾花沢大先生っ!」
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