保健室では、お静かに

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   もしかして、宮田くんも違うベッドで寝ているのだろうか。  だとすると、いま覗いたら無防備な姿が拝めちゃう感じだろうか。 (ぎゃあ! 覗きたい! めちゃめちゃ覗きたぃいいいいいいっっ!!)  ボクが使っていたもの以外にベッドは二つあるらしい。  どちらもカーテンに覆われていて、いま誰が使っているのかは分からない。  確率は二分の一。  まあ、もしハズレたらすぐに土下座すればいいし──と、マナー違反にもほどがある衝動が込み上げていたときだった。 「どっこいしょーっとぉお! あー! くそ重てぇなー!」  バタバタと作業していたマッチョ大先生は、野太い掛け声とともに肩に担いでなにか運んできた。  布団──にしてはだいぶ細長い気がする。  さっきまでボクが寝ていたベッドにそれをどすんと置くと「ッあー、いいトレーニングになったッ!」と嬉しそう。  白衣が張り裂けそうなほど太い腕をぐるんぐるんさせる。  
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