宮田くんは、いい香り

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宮田くんは、いい香り

---------  今年は梅雨が長引いている。  七月もそろそろ半ばなのにずっと雨が降り続いて、街も人もジメジメじゅくじゅくしている。 (でも、ボクの宮田きゅんは毎日爽やかぁああああーー!!!)  放課後、誰もいなくなった教室で宮田くんの机やイスを抱きしめて頬ずりするのがやめられない。  ストレスが解消されすぎて脳細胞がまるごと無くなっちゃいそう。 (宮田くん……好き……)  ご本人には到底近づけないから、持ち物を片っ端からクンクンしていて気づいたのだけれど、宮田くんはいい香りがする。  香水とかじゃなく、せっけんでもない。  吸い込むと鼻から耳の奥にかけてがスーッと涼しくなるような──ミント系の香り。 (もしかしてシップ貼ってるのかな……。まさかそんなジジ臭い……) (いや、でも待て。宮田くんってけっこう筋肉質だし……、筋トレしてるのかも。……肩甲骨の上に貼られたシップ……) (ぎゃーーっ! 想像するとエロい、エロいぞ! 一周回ってセクシーすぎるっ!) (宮田くんの筋肉痛をほぐしたシップ……いいなぁあ。使い終わったやつ、欲しい! 顔面に貼って宮田くんの筋肉を感じながら寝たい……!!!)  彼に想いを寄せて以降、ボクの脳内はすっかりにぎやかになっていた。    
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