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保健室では、お静かに
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いい夢を見たあとは、だるい。
(……ああ、夢なのか。いまの……)
まだ目を開かないうちにガックリした。
ついさっきまでボクが見ていたものはすべて幻だったのだ。邪な脳細胞がいたずらに産み出した一瞬のアオハル。
まぶたの向こう側では、つまらなくて、何も変わらない、さえない日常が始まろうとしているらしい。
(……そりゃそうだよね……。宮田くんと抱き合えるわけない……ボクに触ってくれるわけないもん……、あんなに荒々しくなんてしてくれないよね……)
もうとっくに意識は覚めていたけれど、寝たふりをして睡眠延長ボタンを連打しまくっていた。まだ現実に戻りたくない。
(口が悪くて乱暴にしてくる宮田くんも……最高だったなぁ……。脳内アレンジしすぎだけど、あれぐらいワイルドでも全然惚れる……)
あわよくば二度寝して、夢のつづきを見たい。もう一度宮田くんに指を舐めて噛んでもらいたい。
いや、今度は吸ってもらうのがイイかも。
ボクのからだを宮田くんのくちびるの痕だらけにしてもらえないだろうか──。
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