オバサンの日常が突然終わる時

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オバサンの日常が突然終わる時

私は水沢直子46歳の独身女、寄る年波に勝てず、お腹回りがスカートにうっすら乗っかる今日この頃。職場では匂いや人間関係に気を使い、女の子が好きな私は優しい指導者として女性社員には割りと人気があると自負している。でも男性社員には陰でお局と呼ばれているのを知っている(笑)。特に何かしたわけでもないのに何故かは不明だけど、まぁメンズの言うことは気にしないし、気にならない。男性を恋愛的に好きにはなったことはないが、人として好きな人はいるし、特別嫌いと思った事はない。そんな私は日々の暮らしに特に不満はない。ただ最近、恋愛をしていないとふと思った。まぁ仕事を続けていたお陰で老けてはいないけど、おばさんだ。その証拠に太ってないし、体重も変わらないのに重力に逆らえない脂肪がスカートのウエスト部分にぽにょりと乗っかる。 そもそも出会いもないと諦めてすごしてきたけど、本当にこのままでいいの?と、自問自答してしまうことが増えた…。でもこの年になると本格的に出会いもないし、おまけに臆病にもなってしまうので、リスクを避けてしまい冒険もできないヘタレだ(笑)。でも今更ながら後悔も浮かぶ。 そんな不毛な考えがぐるぐると心を支配する日々。 ちなみに結婚しなさいとやかましかった両親は亡くなり、何も言われなくなると1人なんだと痛感する。 両親は1度結婚に失敗した再婚同士で親が40歳の時に出来た1人娘が私だ。そして私が40になった夏、80歳でこの世を去った母を追うように父も翌年亡くなった。さすがに1人娘だし、世代的に理解してもらえないと思いカミングアウトは出来ず、モテないからと言い続け、がっかりさせたものだった…申し訳ない。 それでも私は自分を曲げられなかったし、両親には悪いが生き方に後悔はない。 そんな私も46歳。親もなく子もなく恋人もない。ちょっぴり寂しくなった今年の夏の熱帯夜、しらない間に私は死んだ。 らしい…いや今生きてるから、日本にすんでた私は死んだ? なんか神様とか名乗る声に、ごめんうっかり予定外に死なせちゃって、なんて言われてたのをうっすら覚えている。罪滅ぼししといたからとかなんとか…。うっかりって何さ?うっかり死なせたはないよ! って目覚めた所は…?どこ? 罪滅ぼしって何?え?いやここマジでどこ?知らんところにいきなり落とされて放置って…これ罪滅ぼしになってる?私は思わず膝をついた四つん這いのポーズで 「神様さぁ…これは嫌がらせ?」 と、呟いたくらいだ。そして驚いた!日本語で呟いた筈なのに耳から聞こえてくるのは知らない言葉…ってか何語?え? 「地球じゃないんかぁ~い!?」 驚いて思わず叫ぶと聞き覚えのある神の声がした。 「ごめん、私、人間の家に遊びにいってみたくて♪そこがたまたまあなたの家だったんだけどなんかわからないけど私のまわりからバチバチってしはじめて巻き込まれたあなたが死んじゃったわけ、エヘ。あ、でも安心して、あなたしか死んでないから♪うっかり死なせちゃって悪かったから、別の世界に転生させてあげるって話しなの♪悪い話じゃないでしょ♪お詫びに若くしてあげたし、あなたの能力も上げておいた。あなたがほしいと思いそうな能力も追加したし、ちょくちょく顔出すから♪あ、呼ばれた。はぁ~い今いきま~す。じゃね。」 そこで脳内への通信?って言えばいいのか…が切れた。 …ってか、こらこらちょっとまてぇ~い! じゃあ何かい?あんたの不用意な行動のせいで私は死んだ、そんでもって他所の知らんところでやり直せ??私のキャリアや積み上げてきた信頼は?? 私はがっくりうなだれて思わずため息をついた。 …まぁいい!46歳のおばさんなめんな!伊達にひとりでこの年まで1人踏ん張って生きてきてない! 立ち直った私はとりあえず自分チェック!神様とやらは私を復活させて若くしたと言っていたし、とりあえず過去の私はともかく今の自分をしらなければ! ファイト~私ぃ~!!
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