[プロローグ]

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『ある若者の燃えつきた恋文』より抜粋。    拝啓  あなたのことを想うと、夜は眠れず。  あなたの姿に焦がれると、体は震える。  あなたこそが私の全てであり、私の生きる意味である。  あなたがいて、私の時間は存在する。  あなたなくして、私の意識は存在しない。  あなたの輝きがあって、私の影は存在する。  あなたに会いたい。  あなたを見つめていたい  あなたの肌に触れてみたい。  あなたの御櫛(おぐし)を撫でてみたい。  あなたをこの腕に包み込みたい。  狂おしい、あなた。  愛おしい、あなた。  ああ、いち早くあなたのもとへと駆けつけたい……。
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