違うの、あのね

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「あっ…あんっ……。」 「そんなに腰を振って、君って人は本当に厭らしいね。」 甘美な貌に下弦の月を浮かべた貴方は、熱の籠った息をハァと漏らして快楽の絶頂に達して痙攣する僕の腹を丁寧に愛撫した。 躰の奥の奥。最果てに感じる高温の熱は、貴方が僕にくれる今宵二回目の情欲。 濃厚で白濁な愛おしいそれは、僕の躰をねっとりとドロドロに美しく染める。 「厭らしい僕は…ぁあんっ……お嫌い?」 ベッドの上に溶けた愚問。 目を細めて小首を傾げた動作に合わせて、サラサラと頬に触れる柔らかな毛先が擽ったい。 腹を撫でていた相手の手にそっと自らのそれを重ねた僕の視線を、彼は絡め取って頬を上気させた。
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