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優しくされたことのない私には、こんなにも私を許し愛してくれることがうまく飲み込めなかった。これは何かの間違いではないか。彼が愛してるのは私ではない、私の表面や体なのではないか。ずっとその疑問が頭から離れることはなかった。
私は愛される価値のない人間だ。それは私の根っこの奥深くにある、消えないこびりつきだった。
私は歌った。優しい人を思い浮かべて。全てがまるで明日になったら冷めてしまう夢のようだった。
怖い。消えないで。あなたを失ったら私はひとりぼっちになってしまう。
沈まない夕日は無いように、いつか必ず私たちを別つ日が来る。その時まで、少しでもそばにいたいのに。なかなか、思うようにいかないものだ。
歌はいつのまにか悲しい詩になってしまった。歌い終わって一息つくと、キーボードの電源を落としてシャワーを浴びた。今日も一日が終わる。
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