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私はふと、遠くにいる恋人のことを想った。
遠い距離を隔てて彼と生きているこの刹那の人生は、まるであの夕日のようだと思った。
今何をしているのだろう。いつだって声を聴くことは出来るけれど、その顔に、その手に、触れることが出来るのは年に何度もない。
会いたいな。
私の心の中を、寂しさと愛おしさが広がった。あの人に捧げる歌を作ろう。そう思って、私はキーボードを弾きながら紙にペンを走らせた。
最後に会ったのは、ひと月前のことだった。その前は半年の間が空いた。
久し振りに会った彼は私の体をきつく抱いた。その体に腕を回して目を閉じた時、ここにいるのだ、と感じた。
愛しい人はどこにもいかずに戻ってきてくれた。この優しい人を離したくなかった。
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