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胸を張って自慢気に笑う響。魔術に関して疎いが故に褒められると嬉しくなってしまうのだった。
「魔術の術式変化をたったの二日で出来るなんて他の魔術師では絶対不可能でしょうからね、高鳴さんの才能は間違いないでしょう」
「ハッハッハ、もっと褒めろ」
まさかの要求。さすがにそれには少年も苦笑いを浮かべてしまう。
「ところで、そんな才能を持っている高鳴さんは一体どんな魔術を継承しているんですか?」
「ん?あたしは……おっと、これは言えないんだった」
「言えないような魔術なんですか?」
「まあそういうことだ、聞かれてもそれには絶対答えないぞ」
「ふむふむ、ならもう聞きません。意外と自分の魔術を教えない魔術師もいますからね、隠したいからなのか言いたくないからなのかはわかりませんが、高鳴さんがそう言うなら僕は聞きませんよ」
「そりゃ助かる。お前もどんな魔術を継承してきたのかは言えないのか?」
「気になりますか?」
「そりゃあなぁ。あたしは魔術に関わらずに生きてきたから他の魔術師がどんな魔術を使えるのか興味あるんだ」
「そういうことなら教えますよ。僕の魔術は少し珍しいんです、似た魔術を使える人も少なくて、結構希少なんですよ」
「へー、どんな魔術なんだ?」
「僕のは召喚術です。別の世界にいる者を呼び出せる魔術なんですよ」
「あ、お前もなのか?」
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