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『人間の言い訳なんて聞かないのだ…』
「聞いてくれなきゃ話進まねえだろ…」
頭を掻く夜道は心底困り、ティスネム以外の四体を手招きで呼んで顔を近づけながら小さな声で、
「おい、どうすんだこれ」
『全部シアニムのせいだからそれ伝えたらいいんじゃねえの?』
『ダメだよアネリオ…!シアニムちゃんがずっとグチグチ言われちゃうじゃん…!』
『拗ねてしまったティスネムの機嫌を取るしかないですよマスター』
「ンなこと言っても何すりゃいいんだよ」
『ティスネムは「悦び」に敏感な性質だから喜ばせればいいよ…』
「だから、何すりゃいいんだ?」
『「高い高い」ってあるだろ?人間の子供にするやつ』
「単純に持ち上げるだけのあれか?あんなので喜ぶのかよ、ガキの見た目してるが悪魔だろあいつ」
『試してみようマスター…!キレられたらドンマイってやつだよ…!』
「シアニム、キレられたら後でしばくからな」
『ひぇっ…!?』
夜道は覚悟を決めて背中を向けながら泣くティスネムへ歩み寄る。
「ティスネム」
『吾輩を一人ぼっちにした冷酷な人間の話は聞かないのだ…』
(吾輩って………ま、まあそれはいいか)
夜道はティスネムの前に回り込み、そっと脇の下に手をやり一気に頭上まで持ち上げた。
「た…高い高~い」
『………』
さっきまで泣いていたティスネムが無表情になり、夜道の額から汗が流れる。
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