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『マスター気合いだ!もっと気合いと勢いでやるんだ!』
「ほっ、ほーれティスネム!高い高ーい!高い高ぁい!!」
アネリオの指示を受け夜道はやけくそになる。自分も回りながらティスネムを上下に振り回し、ティスネムの力の抜けた小さな体が派手に揺れる。
『………』
『…ティスネムの表情に柔らかさが見えてきましたね』
『その調子だよマスター!後でシアニムちゃんにもやってそれ!』
『シアニム…ちょっと黙ってた方がいいよ…いい加減マスターに怒られると思う…』
「高い高い!ほれ高い高いッ!高い高ァあああああああい!!」
『……ふ、ふふふ、あはは!もっとやるのだ人間!これは楽しいのだ!』
「おっ!?機嫌よくなったかこれ!?」
アネリオの提案は見事成功した。キャッキャキャッキャ言いながら笑うティスネムが喜んでいるのは一目瞭然。夜道もやけくそになった甲斐があった。
『楽しいのだ!この物扱いされているような感覚は実に楽しいのだ!』
「よっしゃもっと行くぞ!…………ん?」
『乱暴にされるのは好きなのだ吾輩!ほれ人間!もっと乱暴に、過激にやってくれなのだ!』
「………」
夜道の動きが止まった。それに不満そうな顔で見下ろしてくるティスネム。
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