『ひんやり』

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『ひんやり』

さらさらと空から降る雪のように白く、わたあめみたいにふわふわで、キラキラしてる。 涼しげなリズムを刻んで舞うそれは、光が差し込んでまるで宝石。 徐々に姿を型取り、青白くもダイヤモンドみたいな輝きの氷山となる。 そこへ注ぐ鮮やかなピンク。 氷の山を溶かすように流れる色は、透き通る水と溶け合って、桃色へと変化する。 裾もとに広がる湖は、透明から淡いピンクへ。 美しくも美味しそうな姿を表したそこへ、赤くてまあるいさくらんぼをひとつ。 私はスプーンを掴むと、ゴクリと喉をならした。 ふわふわで、甘いイチゴ味のかき氷は、ひんやりと冷たい夏の味がした。
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