0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
『ひんやり』
さらさらと空から降る雪のように白く、わたあめみたいにふわふわで、キラキラしてる。
涼しげなリズムを刻んで舞うそれは、光が差し込んでまるで宝石。
徐々に姿を型取り、青白くもダイヤモンドみたいな輝きの氷山となる。
そこへ注ぐ鮮やかなピンク。
氷の山を溶かすように流れる色は、透き通る水と溶け合って、桃色へと変化する。
裾もとに広がる湖は、透明から淡いピンクへ。
美しくも美味しそうな姿を表したそこへ、赤くてまあるいさくらんぼをひとつ。
私はスプーンを掴むと、ゴクリと喉をならした。
ふわふわで、甘いイチゴ味のかき氷は、ひんやりと冷たい夏の味がした。
最初のコメントを投稿しよう!