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「さて、終わりにしよう。お疲れ様。じゃああとは自由にしてくれ」
「はーい。お疲れ様でした」
和夫は肩を回しながら部屋に戻って行った。
「露天風呂はいるかな」
優樹が背伸びをしながら言うと
「今日はカップルいないからのんびり入れそうね」
と和奏が笑った。
ペンションでは混浴の露天風呂があった。昔は屋根のない簡易の設備だったので、冬の夜は身体が冷えてしまい入るものがなかったが、夏はよくカップルが夜中に入っていた。
今では脱衣所も浴場もしっかりとした施設につくり変えられ、季節も時間帯も問わず利用するものが多い。が、やはりカップルに人気が高く風呂場でイチャイチャするのでその場合長湯しづらかった。
「のんびり入ってくるよ、じゃ」
「楽しそうな奴」
エプロンを外してウキウキしながら露天風呂へ向かう優樹の後姿を、和奏は微笑んで見送った。
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