死がふたりを結ぶまで

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1568年──時は戦国。 小国同士が互いの権力、武力の全てを使い己が大国を創るべく争う時代。 隙あらば領地を広げようと睨みをきかせ合う国々から、少し離れた位置に領地を持つ小国───我楽(がらく)。 先代までは膨大な領地と武力を誇っていた国だったが、当主の病死によりその勢力は衰退。若くして次期当主となったのは現五代当主、神津藤定(こうづ ふじさだ)。 先代までとは違い争いを好まなかった藤定は、先代の急死を機とし攻め込んで来た隣国に対し、最低限の領地を明け渡すことで戦を収めた。 しかし、血を流さずに済む唯一の方法であったにもかかわらず、国民達からは『腰抜け』や『国を売った』等と揶揄されていた。
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