死がふたりを結ぶまで

22/22
前へ
/22ページ
次へ
1575年、我楽────落城。 我楽城まで攻め込んできた敵軍に対し、我楽の軍は殆ど抵抗できずに降参せざるを得なかった。 当主である藤定の死亡は確認されているものの、遺体の行方は不明。首を打つため敵軍は血眼になって探すも見つからず、唯一最後を見た佐久間は決して口を割らなかった。 そして、由苑の兵士の誰一人として気付いてはいなかったが、宗近の遺体も見つかってはいない。 結局二人は見つからぬまま時は過ぎ、数年後の佐久間の病死により、二人の行方は誰にも分からぬものとなってしまった。 戦乱の世を生きた若き当主とその側近は、現世で果たされることのなかった想いを胸に、今も我楽の地の何処かで寄り添うように眠っているのだろうか───。 ~END~
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加