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1575年、我楽────落城。
我楽城まで攻め込んできた敵軍に対し、我楽の軍は殆ど抵抗できずに降参せざるを得なかった。
当主である藤定の死亡は確認されているものの、遺体の行方は不明。首を打つため敵軍は血眼になって探すも見つからず、唯一最後を見た佐久間は決して口を割らなかった。
そして、由苑の兵士の誰一人として気付いてはいなかったが、宗近の遺体も見つかってはいない。
結局二人は見つからぬまま時は過ぎ、数年後の佐久間の病死により、二人の行方は誰にも分からぬものとなってしまった。
戦乱の世を生きた若き当主とその側近は、現世で果たされることのなかった想いを胸に、今も我楽の地の何処かで寄り添うように眠っているのだろうか───。
~END~
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