白昼の惨劇

1/1
前へ
/90ページ
次へ

白昼の惨劇

 おんなの子は、若い女性に連れられて、人混みのなかを歩いていた。行き過ぎる人に、目でなにか訴えながら。  しばらく後、おんなの子がうつむくと、母親に見えた女性が、勝ち誇ったようにささやいた。 「ほぅらね、あなたのためになんか、誰もおまわりさん呼んでくれないでしょう?」  おんなの子は、その日から、あまりしゃべらない子になった。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加