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律儀な子・わんこ歌
ある子が、金比羅山の歌を歌っていた。旅先で食べた弁当の包み紙に、歌詞があり、地元のおばちゃんらしき茶屋の店員さんが、節を教えてくれたのだ。
「歌のさいごに、『一度まわれば』で振り出しに戻るんよ」
元気に歌っていたその子が、そのうち考え込むような顔で歌い続け、ついに困ったように親に訊いた。
「母ちゃん、この歌、なにでフタすんの?」
どうやら、その子はこの夏、金比羅参りの他に、わんこ蕎麦も体験していたらしい。
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