あ痛タタタ!な、お年頃

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あ痛タタタ!な、お年頃

 ある日、友人が名言を吐いた。 「貧困を経験していないのなら、十分裕福だ」  それからのち、食堂でのことだった。 「無駄遣いなんか全然してないのに、お前は贅沢だって、そればっかり」  家に帰れば、二人の子持ちである、その人の髪には、ストレートパーマがあてられていた。老けてはいないが、50歳を越えており、それなりに年齢の出ている顔には、不釣り合いなように見えた。  すると、隣のテーブルに居た後輩が、両の人差し指でそのストレートパーマをつつきながら、言った。 「あ痛タタタ! お前はすでに、恵まれている」  この上、何にモテようとしているのか。  ヒス爆発のツボは、誰も突かなかった。更年期女性のトリセツを、寸劇で見た気がした。
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