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Who is lackey?
現品限りのベッドの横で、女は車のキーをもてあそんでいる男に言った。
「ねぇー、どうしよう」
「んー?」
男はどうでもいい感だ。店員はにこやかに言った。
「お客様、よろしければ、実際に横になって、寝心地をご確認ください」
「えー、でもォー、今日靴下がこの状態でぇ」
女性客は靴を脱いで見せた。部活帰り状態のそれを見て、男はゲッという顔をしたが、店員は言った。
「お気になさらず、どうぞ」
「うふっ、じゃあ遠慮なく」
案の定、遠慮せず掛け布団をめくって上がった客に、店員は言った。
「実はここだけの話、このベッドをお買い上げいただきますと、こちらの枕、シーツ、掛け布団、掛け布団カバーの4点も無料で『お持ち帰り』いただけます。ベッドは1~2日後の配送となりますが、いかがでしょう?」
先ほど自分の女の靴下を見て、ヤバいと思っていた男は、口笛を吹いてキーを放りあげ、チャッとキャッチして言った。
「ちょーラッキー! 決まりだな!」
店員は二人をサービスカウンターへ案内しながら、男のほうに小声で言った。
「ナイス、フォロー」
男は親指を立てた。
「えー、なになに、なんの話してんの?」
「オレとお前がナイスカップルだってさ」
「やっだー、もぉー」
女は嬉しそうに頬を染めた。
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