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「綺麗ねぇ。
ユリア、あの奥はどうなっているの?」
私は、美しい庭園の奥に、鬱蒼と木が生い茂り、森のようになっている一角を指差した。
「あちらは、王家所有の森でございます。
国王陛下が兎狩りや鹿狩りを楽しまれる
こともございますが、手入れのために年に
数回、木こりが入るくらいで、ほとんど誰も
入ることはございません。
王女殿下も決して足を踏み入れませんよう、
お気をつけください。」
へぇ…
でも、城から見てると、あの森から小鳥のさえずりは聞こえてくるようだったわ。
私は、森に入ってみたかったけれど、ユリアが反対するので、諦めて花壇や噴水のある庭園内を散策した。
その夜、久しぶりに外を歩いたせいか、気持ちよく、ぐっすりと眠ることができた。
翌朝、こんなにすっきりと目覚めるのは久しぶりだと思った。
「ねぇ、ユリア。
今日も午後から庭を散歩していい?」
私が、朝の身支度を手伝ってもらいながら、尋ねると、
「かしこまりました。
また、午後、こちらに参ります。」
と言ってくれた。
私はその日の午後も庭を散策して過ごした。
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