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第2話
俺の高校は、中高同じのせいか、都心のせいか、敷地内に店がいくつもあるせいか、他の公立高校より4倍以上デカい。そのため俺たちは、毎日エスカレーターを使って各自の教室に行く。
「はあ、1限目は体育か」
だるそうに声を発したのはちゃんとした制服に着替えた悠太だった。
「何、そんなに嫌なのか?」
確かに世間一般的には大嫌いな人も多い体育だが、運動神経抜群の彼の口から出るのは意外だった。ちなみに俺は体育は好きでも嫌いでもない。
「楽しい楽しいお着替えタイムで男女別れるなんて寂しいじゃないか」
そういうことかよ。
そんな茶番をしている中、俺は初めて未来が居ない事に気づく。
「ん?そういえば、未来きてないじゃん」
「あ、本当だ。未来ちゃんいないね、学校のマドンナ的存在が来てないとか、今日もう授業受けられないかもお」
「それただ単純にさぼりたいだけだろ…」
どうしてだろう、未来が学校を休むなんて珍しいな、と思いながら顔をしかめた。
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