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神々の曙2
鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)は九州を平定し、その子供神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)は成人し東征に向かう事になったのです、日向の港から兵をつれて豊国(大分)、筑紫(福岡)と進軍します、九州は父親である
鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)が平定しましたので、
筑紫から船に乗り対岸の周防に上陸したのです、周防族の抵抗は激しく容易に従おうとはしません、土地のものに周防の頭は何を
好むのだと聞くと、魚が大好きで毎日魚料理で宴会をひらいていますと答えたのです、それでは釣りにいき魚をたくさん釣って
懐柔しょうと釣りに出掛けたのです、
すぐに手ごたえがあり寄せると大きなさかなです、土地のものにこの魚は何と言う名だと聞くと、それはふくと言って体に毒を
もっており、それを食うと体が痺れて死んでしまうので、土地のものはだれも食わんと言うのです、どんどん釣れますがすべて
ふくだったのです、
恐らく体の肝に毒をもっているのだろうと思い、小刀で腹を裂き慎重に肝を取り出し、指につけてなめてみるとピリピリします
これがふくの毒だと言って内臓をすべて取り出しきれいに洗い土鍋にいれて塩を適当にいれて煮たのです、汁を舐めましたが
ピリピリはしません、
これで大丈夫だと、煮えたので竹箸で取り出して口に入れると、骨はすぐにばらけます、白身の魚でなかなかうまいのです、
五瀬命(いつせのみこと)が心配そうに見ています、神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)はしばらく経っても、
なんともないので、
みんなに勧めるとみんなが鍋をつつき、美味い、美味いと食べたので兵たちにも捌きかたを教えて、宴会を開いたのです土地の、
者は驚いて早速、周防の頭に神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)は鬼人ですあのふくを食うても死にませんと
報告したのです、
周防の頭は何と猛毒のあるふくを食うてもなんともないのか、毒を取って食うているのだろう、お前はもう一度宴会に紛れ込み
そのふくを持ってこいと命令したのです、もう一度宴会にいくと神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)がお前も
食うてみろと勧めるので、
貰って食うと淡泊で、すごくおいしいのでもくもくと食べたのです、食べ終わると頭が貰ってこいというのですがと言うので、
そうか持っていってやれと鍋をわたしたのです、頭のもとにもっていくと、ほういい匂いじあな、おまえが毒見をしろという
ので食べて、
ほらなんともありませんだと言うと、頭が食べてこれは美味い、酒の肴に合うではないかと喜んだのです、配下にも食わせると、
みんながこれがふくですかと美味い、美味いと食べたのです、この料理の仕方を教えれば神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれ、
ひこのみこと)に従うと、
言うて来いと配下を使いに出したのです、神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)は周防の頭の申し入れを受けて、
ふくをもって行き毒である肝の取り出し方をおしえて、料理すると頭がこれからは神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこ、
のみこと)に従うと約束したのです、
こののち周防(山口の下関)ではふく料理が名産となるのです、神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)が兵を一人、
も失うことなく料理で従わせる事ができれば良いなというと、配下がまさに一石二丁ですなと笑ったのです、さて次は阿岐国、
(あきのくに/広島)じゃが、
どんなものが沢山とれるのだと言って阿岐国に向かったのです、阿岐族も容易に従おうとはしません、物見に配下を出すと敵は
峠の上に陣を張りおよそ200人がやりや弓を持ち待ち構えていますというので、そうか攻め上れば多大な兵の損失がでるなと考え
ていると、
となりの林にガサガサと音がして猪が現れたのです、腹が減っているとみえて今にもとびかかって来そうです、煮てあった芋を、
投げると勢いよくかぶりつくので沢山の芋をそばに持っていくとおとなしくしています、さあ食べろとし言うともくもくと食べ、
食べるのをやめたのです、
よく見ると沢山の乳があり母親のようです、そうか子供がいるのかとそれでは持って行ってやろうと袋に芋をいれてそばに行き、
案内しろと頭をなでると、くるりと向きを変えて藪に入るので後をついて行き、しばらくあるくと藪から子供が二匹出てきたの、
です、
袋から芋を出してそこに置くと子供達ががつがつと食べたのです、満腹になったのか母親のそばにきてブウ、ブウとなくと母親、
が顔を舐めまわしたのです、それではなあと陣地にもどり、それでは火責めと行こう、風向きがかわったら生木を燃やし煙で、
燻せば峠の向こうに走り降りるだろう、
燻す兵を残して迂回して待ち伏せるぞ、準備ができたら赤い布をつけた矢を空に向かって放つので生木に一斉に火をつけろ、枯れ
木には火はつけるな、燻せばよののだといいつけて神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)は迂回して待ち構えたの、
です、
空にむかって赤い布をつけた矢を放つとしばらくすると黙々と煙が上がり風下の峠にむかって登りあたり一面が煙におおわれた、
のです、峠に陣をはっていた阿岐族は燻されてたまりません、下のほうからガサ、ガサと音がしたので兵が敵が登ってきたぞと、
言うと、
たまらず一斉に向こうの峠の下に駆け降りると、両脇から弓が飛んできてバタ、バタと兵が倒れたので、頭が降参する攻撃をやめ
てくれと言うので、攻撃を中止して、武器を捨ててこちらに来いと言うとそばに来てひれ伏したので、従うのかと聞くとなんでも、
言うことを聞く言ったのです、
峠の上に猪がこちらを見ています、そうかお前が味方してくれたのかというと、ブウ、ブウとなき藪に隠れたのです、これで周防、阿岐を平定し、東征も順調に進み神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)は吉備(岡山)の国に向かうことにしたの、
です、
阿岐の頭がカキをたくさん持った来たので牡蠣鍋にして酒を飲みみんなで盛り上がったのです、これは生では食えんのかと聞くと、
腹を壊しますと頭が言うので、試してみようと生で食うととても美味しいのです、なんともないのでさらに食うと何個でも食える、
が3個くらいが丁度いいな、これ以上食うと腹を壊すだろうと言ったのです。------完
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