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「………凄い。清志はやっぱり、やるときはやる奴だね!」車とレッドアイの爆発に瑞希は大喜びだが、清志は放心して海を見つめていた。全神経を集中しての操作だった為に、身体中の力が抜けて足元がふらついている。  一台だけ残ったレッドアイは、海上を飛び回って辺りを探索しているようだった。  当然、周囲の人間もレッドアイと車の爆発に気付いていたが、誰もフェンスに駆け寄って確認しようとはしない。それは騒動に巻き込まれるのを恐れてのことだった。 「逃げよう清志」そう言って、面を着けたままの瑞希が清志の手を握った。  瑞希に手を繋がれ、ドキリとしながらも平静を装った。 「逃げるって、何処に?」 「ジャンクスのアジトだけど、その前にコートを替えなきゃ」そう言って瑞希が清志の手を引くようにして、ショッピングモールの入り口に向かって歩き出した。  今、瑞希がコートと言ったが、瑞希を含めて周囲の人間の殆どが、さまざまなデザインのコートやジャケット等の上着を着ている。強すぎる紫外線対策の為でもあるが、優れた温度調整素材が発達している為に、季節を問わず上着を着ていた方が快適なのだ。  出店の横を通り、店内に入ると上着のフードをかぶったままの者も多く、これは上着を着る理由と同じ事だが、例え目出し帽姿で店内をさまよっていたとしても、体内のマイクロチップで個人認証を行っているので、何も問題は無いし、ほとんどの者が気にしなかった。
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