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「しょっぱいな」 ペロリと翔琉はその艶かしい舌を惜しみなく見せ付ける。 そんなところを舐められた俺はその見せ付けられた舌と共に酷く赤面し、思わずギュッと目を瞑る。 「恥ずかしがってる颯斗、可愛い」 そう言って、今度は俺が片手に握り締めていたチョコバナナに舌を移す。 そして、その先端に翔琉がチュッと音を立ててキスし舌で舐めた。その仕草は何故だかとても卑猥に見え、ぞくぞくするような熱い何かが俺の全身を突き抜けるのを感じた。 「甘い」 潤んだグレーの瞳が俺を見つめる。 これ以上この瞳を見つめていたら俺は俺じゃなくなりそうな予感がした。 「そりゃ、チョコだから甘いに決まってるじゃないですか!」 わざと冷たい口調で俺は言い返す。 次の瞬間、俺の口腔内はチョコバナナの味がした。 それは、とても甘い…… 甘い、 甘すぎる 夏のキスの味だった。 次第に甘かったはずのキスは、いつもより激しすぎる獰猛で執拗なものへと形を変えていった。
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